6月16日(土)インプロワークショップふりかえり

6月16日(土)はインプロワークショップでした。参加してくださったみなさま、どうもありがとうございました。

今回は仮面(フルマスク)のインプロも行いました。舞台の上に「ただいる」ことから始め、お客さんの期待に応えていくインプロを少しずつ探求していきました。シンプルなワークショップでしたが、とても豊かな時間になったと思います。

以下はワークショップのメモや個人的なふりかえりです。

落ち着いてチャレンジする

インプロではチャレンジすることが大事。しかしそれはただガムシャラに頑張ることではない。落ち着いて、でも怖さを感じるところまで一歩踏み込んでいく。逆に言えば、怖さを感じるところでも落ち着いていられるように。

舞台上に「ただいる」ことから始める

フルマスクのインプロは舞台上に「ただいる」ことから始める。自分の身体の存在感を信頼する。そしてお客さんの想像力を信頼する。お客さんが期待しているものに気づき、それに従っていく。それが結果としてストーリーになっていく。

お客さんの期待に応える

お客さんの期待に応えると演劇的に質の高いシーンができる。しかしそのことを義務にはしないように。まずは自分の直感を大切にしていい。しかしお客さんの期待が分かれば選択肢が増える。お客さんと一緒に遊ぶように。「お客さん」という生き物の脇をくすぐるように。それができたらプロフェッショナルなパフォーマー。

今回はシンプルなワークショップでありながら、とてもレベルの高いことをやっていたと思います。前向きにチャレンジしてくれた参加者のみなさまに感謝しています。

来月は7月28日(土)の夜にワークショップを行います。インプロの広く深い世界を探究していきましょう。今後ともどうぞよろしくお願いします。

即興激闘に「仮面夫婦」として出演しました

昨日は即興激闘に出演してきました。9時間というとんでもなく長いインプロショーでしたが、とんでもなく良いインプロショーでした。お客さん、出演者、スタッフ、関わってくれたすべての人に感謝しています。どうもありがとうございました。

僕は江戸川カエルとともに「仮面夫婦」という仮面を使ったサイレントユニットで出演しました。

(即興激闘の写真撮影:ますくわーど)

今回の出演にあたってはいつも以上に緊張している自分がいました。

フルマスクのインプロをお客さんの前で行うのは去年11月に出演した仮面劇「Carbon Copy」以来でした。

Carbon Copyはなんとか乗り切ったものの、「フルマスクのインプロをお客さんの前でやるのは難しすぎる……!」という感想も持ちました。だから今回は本当に何もできないのではないか、と思っている自分もいました。

しかし実際に舞台に上がってみると、MCのじゅんきやこれまでの出演者のおかげもあり、仮面夫婦は想像以上にお客さんに受け入れられたという実感がありました。

フルマスクのインプロは全くしゃべりませんが、僕はこれをお客さんとの対話だと思っています。舞台上に立ってみて、お客さんが何を期待しているかを想像して、そして動いてみる。その繰り返しが結果としてストーリーを生み出していきます。

今回ひさしぶりにお客さんの前でフルマスクのインプロをやってみて、「お客さんの前でやる方がずっとやりやすい」という感想を持ちました。仮面をつけると視界は狭くなりますが、その他の感覚は鋭くなります。今回はシーンの最中、お客さんの笑い声だけでなく、息遣いや気配のようなものを感じ、それによってどう進んでいいのかが分かるときがありました。

その結果、仮面夫婦は1回戦を勝てれば十分だと思っていましたが、3回戦まで行くことができました。

Carbon Copy以降、演出家のフックとともにほぼ毎週コンタクトインプロと仮面の稽古を続けてきました。今回ひさしぶりにお客さんの前でフルマスクのインプロをやってみて、その稽古は着実に身になっていると実感できました。

出演後、お客さんや他の出演者から「とても良かった!」「この世界観、好きです!」「これはアートだった!」という声をたくさんかけていただきました。とてもうれしかったです。どうもありがとうございました。

3回戦で自分の出演が終わって以降は、ひとりの観客としてショーを楽しんでいました。準決勝、決勝はいずれも素晴らしいインプロばかりでした。

特に「No Theatrical Improv」として出演していたゆうきの決勝パフォーマンスは本当に素晴らしいものでした。それは「よくできている」の向こう側に飛んでいったパフォーマンスで、僕は素直に「これはすごい」と思っていました。

決勝パフォーマンス中、「こういう愛し方しかできないんだ!」とゆうきが叫んだシーンはインプロ史に残る名シーンだったし、なんなら演劇史に残ってもいいくらいの名シーンだと思いました。このセリフはゆうきの心から出ていた言葉でしたが、その様子を見て「そういえば演劇ってそもそもそういうものだな」と思わされるほどの真実がそこにはありました。

しかし、それでも僕が最後まで投票したのは対戦相手の「絶対自由」でした。パフォーマンスとしてはNo Theatrical Improvの方が優れていると思っていましたが、それでも絶対自由に投票している自分を省みて「僕はじろうのファンなのだなぁ」と思っていました。

この日のじろうのパフォーマンスは最初から最後までキレキレのものでした。じろう本来の面白さと、お客さんの期待に応えていくじろうのエンターテイナーとしての力が融合していました。この日のじろうには面白さだけではなく、かっこよさすら感じました。また、そんなじろうに愛と遊び心を持って関わっていくひろきゅんの姿もまたかっこいいものでした。

正直言って、仮面夫婦としてこのバトルに食い込んでいくにはまだまだ足りないものがあると感じました。そしてフルマスクのインプロの世界をまだまだ深めていく必要があると思いました。

インプロバトルを見ていると、即興において何が大事なのかが分かりやすいと思います。「よくできている」では不十分で、その向こう側へと飛んでいく必要がある。「奇跡を起こすか、失敗する」という覚悟で望むこと。今回の即興激闘は最終的に「奇跡 VS 奇跡」という素晴らしいバトルが見られたと思います。

細かく感謝を述べていくとキリが無くなってしまうので、最後に主催のじゅんきに感謝を述べて終わりたいと思います。

これだけのイベントを引っ張っていくのは本当に大変だったと思います。しかしそれをやりきるだけのインプロへの愛と熱がじゅんきにはあるのだと感じました。MC姿はかっこよかったです。明後日は一緒にインプロを楽みましょう。

というわけで、明後日は『Air 2』です。じゅんきが目一杯インプロできるように、そして「よくできている」の向こう側へ飛べるように、舞台に臨もうと思います。まだ少しお席がありますので、ご興味ある方はお早めにご予約ください。どうぞよろしくお願いします。

インプロショー『Air 2』

〈日時〉
2018年6月20日(水)
19:30開場 20:00開演

<場所>
江古田兎亭
(東京都練馬区旭丘1-46-15)

<料金>
2,500円

<出演者>
八田浩禄 (演劇ギルドわむ‼)
戸草内淳基(加速装置)
早さきえこ(インプロカンパニーPlatform)
内海隆雄(第三インプロ研究室)

<予約>
出演者に直接連絡または下記予約フォームより
https://www.quartet-online.net/ticket/air

演劇は「人生を称える」ものである

最近は「なぜ演劇をやるのか」ということを考えている。そしてその理由のひとつとして「人生を称える」ということを考えている。

人生を称えるということは、必ずしもハッピーエンドを意味するわけではない。切なくても、惨めでも、そこに誠実さがあれば人生を称えることはできる。

二十歳の頃に『カラマーゾフの兄弟』を読んだ。そして今でも印象に残っている一節がある。

「あのね、コーリャ、それはそうと君はこの人生でとても不幸な人になるでしょうよ」突然どういうわけか、アリョーシャが言った。
「知ってます、知ってますとも。ほんとにあなたは何もかも前もってわかるんですね!」すぐにコーリャが相槌を打った。
「しかし、全体としての人生は、やはり祝福なさいよ」
人生は必ずしも楽しいことばかりではない。むしろ辛いことばかりかもしれない。しかし総体として祝福することはできる。そういうことを描くために演劇というものはあるのかもしれない。(ちなみに『カラマーゾフの兄弟』に関して当時の自分がどれほど理解したかは心もとない。今改めて読んだらまた違うものに思えるだろう。)

このように考えるきっかけになったのは、『ザ・ベクデルテスト横浜公演』だった。ザ・ベクデルテストとは3人の女性の人生を即興で描くインプロ(即興演劇)のフォーマットである。映画のジェンダーバイアスを測定するために用いられる「ベクデルテスト」をもとにサンフランシスコのインプロバイザー、リサ・ローランドが生み出したフォーマットである。

横浜公演ではザ・ベクデルテストのために3日間の合宿稽古を行った。その中でこのフォーマットは3人の女性の人生を称えるフォーマットなのだと思った。

ザ・ベクデルテストにおいて主人公の女性たちはヒーローのように行動する女性たちである必要はない(それでは男性の役割を女性に変えただけである)。その女性たちは「普通」であるかもしれない。しかしそのような女性たちにも日常や非日常があり、それを祝福することはできるのだ。

6月2日(土)に『Impro for Lovers』という公演に出演する。これはザ・ベクデルテストの東京公演のアフタートークで「女性を描こうとすることによって、かえって男女の境目が強調されるのではないか」というお客さんからの意見によって生まれた公演である。したがって、『Impro for Lovers』の世界ではLGBTの人たちも当たり前に登場する。

しかし、だからといって『Impro for Lovers』はLGBTをテーマにした公演でもない。女性にも人生があるように、LGBTにも人生がある。そしてそれは男性であってもストレートであっても同じことだ。

ここで描くのは「女性だから」「LGBTだから」「男性だから」「ストレートだから」という物語ではなく、「わたし」と「あなた」の物語である。

LGBTだろうとストレートだろうと火星人だろうと、そこに愛があればいいのだ。そして人生を称えよう。そんなスタンスで公演に臨みます。

とはいえ、基本はインプロであり、コメディーの公演です。たくさん笑って、そして少し愛について考えてみましょう。

ご興味ある方はどうぞご連絡ください。どうぞよろしくお願いします。

【Impro for Lovers】 “今夜、愛の話をしよう”

優しくて、あたたかくて、寂しくて、ちょっぴり切ない7人で愛の話をします。出てきたエピソードから、即興でシーンを作っていく、トーク×インプロ×ミュージックショー。

〈日時〉
6月2日(土)16:30~ / 19:30~
(各回100分前後を予定)

〈料金〉
各回 2000円+1drink
通し 3000円+1drink
学生 1500円+1drink

<場所>
高円寺グリーンアップル
(東京都杉並区高円寺南4-9-6 第三矢島ビル2F)
JR中央線・総武線「高円寺駅」南口を出て徒歩3分
http://www.greenapple.gr.jp/access.html

<予約>
ご予約は出演者に直接ご連絡いただくか、下記フェイスブックイベントで「参加」をクリックしてください。
https://www.facebook.com/events/2550152861875839/
<出演>
江戸川カエル(仮面夫婦)
内海隆雄(第三インプロ研究室)
忍翔(劇団しおむすび)
住吉美紅(Platform)
だいら(劇団しおむすび)
高見次郎(Tottoria)
むらし(タピストリ)

スペシャルミュージシャン:
シンガーソングライター瑜伽陽介

5月13日(日)インプロワークショップふりかえり

5月13日(日)はインプロワークショップでした!参加してくださったみなさま、どうもありがとうございました。

僕はたとえ初心者向けのワークショップであっても、その時の自分にとって一番広く深い世界を探求したいと思っています。今回のワークショップもそのような時間で、僕にとってもインプロの世界が広がり深まる時間となりました。

以下はワークショップのメモや個人的なふりかえりです。

失敗をシェアする

僕はインプロを広めたい。だけどインプロはアートであってほしい。アートとしてのインプロの特徴は失敗することにある。うまくいって面白いのは当たり前。うまくいかなくても面白いからアートとしての新鮮さがある。だから失敗をシェアする。全てをありのままにする。

相手のために学ぶ

インプロは考えてやるものではなく、「ただやる」もの。しかしそれがパートナーを喜ばせているのか困らせているのかを知る必要はある。良かれと思ってやったことがパートナーを困らせていることもあるし、当たり前にやったことがパートナーを喜ばせていることもある。それは人生と同じように。

うまくいったりいかなかったりしてパーフェクト

パートナーにいい時間を与えよう。しかしそれでも失敗することはある。そうしたら失敗をシェアすればいい。うまくいったら嬉しいし、うまくいかなくても面白い。そうなればもう怖いものはない。そこにはただ真実や喜びや愛がある。

今回のワークショップはインプロの思想の根本に降りていくような時間となりました。教えている僕にとっても多くの学びがありました。参加者のみなさまに改めて感謝を。

6月はワークショップをお休みする予定でしたが、今回やってみてとても良かったので、やっぱりやることにしました!次回は6月16日(土)の午後にワークショップを行います。インプロの広く深い世界を探究していきましょう。今後ともどうぞよろしくお願いします。

4月15日(日)インプロワークショップふりかえり

昨日はインプロワークショップでした!参加してくださったみなさま、どうもありがとうございました。

今回はbelieveeyeワークショップの中で行ったこともあり、はじめましての人が多いワークショップでした。しかし参加者がひとつの生き物であるかのように、みんなでいい時間をつくることができたと思います。

以下はワークショップのメモや個人的なふりかえりです。

失敗する自由を取り戻す

人間には本来失敗する自由がある。しかしその自由は大人になるにつれてだんだんと失われていく。インプロは失敗する自由を取り戻す試み。失敗してもそれを隠そうとするのではなくシェアする。そうすること自体にアートとしての価値がある。

本能に従う

計算して動くのではなく、本能に従って動く。それによって生まれる質感自体が重要で、その結果は重要ではない。自分の本能の声を聞くために、「自分」を静かにしておく。頑張らない、遠慮しない、ただやる。

あなたの中にはストーリーがある

ストーリーを作ることとストーリーを語ることは違う。計算して組み立てるのではなく、夢を見るように語っていく。私は「私」が考えているよりも遥かに大きな存在。あなたの中には物語がある。そのことを信じる。

今回のワークショップは「即興する」ということの本質に触れるとってもいい時間でした。「僕は僕のワークショップが好きだと言えるように」と思って向かったワークショップでしたが、「僕はこのワークショップが好きだ」と言えるものになりました。

次回は5月13日(日)の夜にワークショップを行います。シンプルに、深く、探究していきましょう。今後ともどうぞよろしくお願いします。

2月12日(月)アレクサンダーテクニークとインプロのワークショップふりかえり

昨日はアレクサンダーテクニークとインプロのワークショップでした!参加してくださったみなさま、どうもありがとうございました。

今回も前回と同様に、「首を自由にしながらインプロをする」というシンプルで奥深いチャレンジをしてみました(アレクサンダーテクニークでは首が自由であることを重要視している)。

以下はワークショップのメモや個人的なふりかえりです。

失敗しても自由でいられるように

刺激が弱い時には自分の首のことを思い出せる。しかし刺激が強くなると「やること」に夢中になりやすい。特に「失敗する」ということはとても強い刺激なので首のことを忘れてしまいがちである。しかしそれを思い出す可能性はいつもある。そしてそれが失敗しても自由でいられることにつながる。

興奮と喜びの違い

同じ「インプロをしていて楽しい」でも、興奮して楽しむこととシンプルに楽しむこと(喜びがあること)は違う。前者には身体の過緊張があり、後者にはない。その違いに繊細になっておきたい。

感覚はあてにならない

過緊張した状態でインプロをやっても、それを取り除いた状態でインプロをやっても本人としてはそれほど感覚の違いはないかもしれない(むしろ物足りなさを感じるかもしれない)。しかしお客さんとして見ていると自由に見える。だから外から見てみることも必要。そして繰り返し繰り返しやること。

次回のアレクサンダーテクニークとインプロのワークショップは未定ですが、また行いたいと思います。ふりかえりにも書いたように「繰り返し」が重要なので、連続ワークショップをするかもしれません。ご興味ある方はお見逃しなく。今後ともどうぞよろしくお願いします。

2月3日(土)インプロワークショップふりかえり

昨日はインプロワークショップでした!参加してくださったみなさま、どうもありがとうございました。

個人的に「たくさん話す」「リスクを取る」をテーマにワークショップに臨み、思想的でチャレンジングで、そしてとってもいい時間となりました。

以下はワークショップのメモや個人的なふりかえりです。

アーティストの仕事はリスクを取ること

アーティストの仕事はリスクを取って可能性を探究すること。結果を約束するのはエンターテイナーやビジネスマンの仕事。それはどちらが正しいということではなく、仕事の違い。

演劇は関係の芸術

アートは内容よりも形式によって表現される。演劇を関係の芸術とするなら、どのように関係が作られ、それがどのように変化するかによって演劇は作られる。ストーリーを作るためではなく、関係を作るために舞台に上がる。

即興は状態によって面白くなる

即興の面白さはプレイヤーの状態によって生み出される。グッドネイチャーでいること、スポンテイニアスでいること、正直でいること、傷つきやすくいること。そういう状態でいられれば即興は自然と面白いものになる。

次回は3月3日(土)の夜にワークショップを行います。初心者から経験者までが一緒に探究するオープンワークショップはいいなぁと思っているので、しばらくはこんな感じで進めていこうと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いします。